炎魔焦熱地獄零壱號機(失敗作) †
似非ジェット製作は
燃焼機に始まり燃焼機に終わる
と言っても過言ではなかろう。
コレさえ出来てしまえばほぼ完成なんですわ。
燃焼なんて色々理論や数字並べても、最後は結局
経験と勘
ですわ。
自分が空気や炎になりきって作ってみよう。
まず主に使う材料はこんなモン。
燃焼筒やノズルなどに使う、建築用足場の直径49mm亜鉛メッキ鋼管。
2メーターで五百数十円という破格だ。
別にこの径や亜鉛メッキに理由がある訳でなく、ただ規格モンだから入手し易く、
しかも
安い
からだ。
それにたまたま亜鉛メッキしてあるだけの事。
そして下に紹介するようなのが揃っているってのが大きな理由。
コレは通称「もぐら」と言うんだけど、先程の足場パイプを地面に打ち込む場合に使用するヤツである。
コレはノズルの絞りや、燃焼筒〜タービンへの異型接続などに使用する。
こういうテーパーを板金してこしらえるのはエラい疲れるし技術も要する。
初號機製作時に見つけて以来、エラい便利なので愛用してるのだ。
コレを使いたいが為に
パイプを足場パイプにしたというのは笑い話ではなく
マジだ
で、コイツが水道管の1/2インチ→3/8インチのネジ付き異型ジョイントと3/8メクラ栓。
これらも数百円のシロモノだし、足場パイプより入手が簡単。
普通のホームセンターを2〜3軒回れば確実に手に入るハズ。
コイツらはガスのジェット取り付けとスワーラ製作に使用するのだ。
で、コレが空気室に使う直径75.2ミリ厚鋼電線管。
コイツの入手が厄介っちゅうか、
普通定尺でしか買えない
のである。
定尺って言うのは規格で決められてる寸法で、電線管の場合は3660ミリもあるのだ。
燃焼機に使う
たった20数センチ
の為に3メーター以上の余剰在庫を抱えることになる。
しかも値段が5000円近かったかな?
普通俺ならノギス片手に
クズ鉄入れを漁る
んだけど、今回は規格の材料使用って言うキツい目標があるので奮発して買ってみた。
本当なら薄鋼電線管でいいんだけど、溶接がし易いのと、
俺個人的に色々な用途があるので厚鋼をチョイスした。
現在まだまだ2メーター以上余ってるので、コレで良ければセンチ単位で切り売りしまっせ〜。*1
否!俺は定尺で買うんぢゃい!!ってな方は、タウンページで近くの電気材料店を探してくだされ。
そこに電話掛けて、一般現金売り可能かどうか、電線管を定尺で1本単位で売ってるか聞いた上で、
トラックに乗って
買いに行こう。
定尺は大方4メーターあるんだから、乗用車には
泣いても叫んでも載せられない
からだ。(笑
またはパイプカッターなり金ノコなりを持参して、現場で切るかですな。*2
これらの材料をこういう感じで組み合わせるのだ。
最近JWWでCADに凝ってて、こんな図面をこしらえてみました。
combustor01.pdf
combustor01.jww
当然製作時にこんな図面は
無論存在しよう訳など無い
のだが、せっかくだから作ってみたのだがどうだろ?
無論この寸法通りに作ってもダメで、実際は現物合わせでの加工になるんだけどね。
しかし製図なんて勉強した訳ではないので変な図面かもしれんけど、
完全なシロートでもこういう風にサクサクっと書けるんだから大したモンだ。
コレは今後フル活用していく事になりそう。
で、まず最初に出来上がった実物を先に載せときましょ。
先程の図面で何を書きたかったのか大体理解してもらえただろうか?
さて、まずはタービンに燃焼機を取り付ける為のフランジからやっつけていきましょう。
材料は5ミリの鉄板端材。
こういう鉄板ってなかなかホームセンターには置いてないんですわ。
そりゃ都会の東急ハンズなんてな店に行けばあるのかもしれないけど、
少なくともウチらのような
城以外に何も無い
姫路のド田舎のホームセンターでは売っていないのだ。
これはどうにかして
拾って来てクレ(ぉぃ
これまたタウンページで近所の鉄工所や鉄材屋を探して、端下を売って貰うなり貰ってくるなりしてくれ。
厚みは5ミリでなくても、3ミリ以上で平らであれば
10ミリでも100ミリでも大丈夫
だ。
ただ素人の工具使って気合で加工出来て、熱歪みにそれなりに耐えようと思ったら5ミリ辺りが良かろうと思う。
コレにガスケットを型紙にして、同じモノを切り出すのだ。
ジグソーで切るなら、事前にガムテープでマスキングしとけば切り易い。
んで、切る前に必ずボルト穴などを開けてしまうこと。
穴は開けなくてもポンチだけは絶対に打つべし。
と言うのは、部品が小さくなると穴開け時の固定が面倒になるし、
いきなり切ってしまうと工具で擦られて
ケガキ線が消えてしまう
からなのだ。
この時点でパイプの穴も開けてしまおう。
俺の場合、普段ならガス切断機なりホールソーでサクっと開けてしまうけど、
さすがにこれらは普通にある工具ではないからあえて一般的な方法で攻めてみた。
このように穴の円周上にキリで小さな穴を開けて行き、
残った肉をタガネで飛ばしてやるとギザギザだけど穴が開く。
で、後は気の済むまで超硬ロータリーバーなり丸ヤスリなりでシコシコ削れば丸穴になるって寸法だ。
エラい面倒な作業だけど、これが
基本中の基本だ!
俺も小学生の頃はハンドドリルでアルミケースに穴開けるのにこういった方法を使ってやったもんだ。
コレだとどんな大きさだろうが、四角だろうが三角だろうが、
どんな穴でも開けられるのでぜひ覚えておこう。
余談だけど、こういう苦労は絶対に経験しておくべし。
こういう面倒な方法を体験してからでないと、高価なホールソーなどの手抜き工具は使っちゃいかんと思うのだ。
最初に金で解決する方法を取ってしまうと、それが今後の標準になっちまうんだな。
で、いざ特殊な穴を開けなければいけない。けど一発で開けられる工具が無い。
なら地道に開けよう・・・とした時に、こんな面倒な方法なんて嫌で嫌で仕方なくなっちまうし、そもそもこういう単純な方法すら思いつかなくなるんだな。
最初の体験ってとっても重要なのだ。
今でこそ職場のガスだのが使えるけど、俺だって昔はハンドドリルで穴を開け、
安物金ノコで鉄板やパイプを切り、棒ヤスリで削ってたんだからね。
素人の最大の強みは無駄と時間はいくら使っても誰にも文句言われないトコなんだからさ。
この状態まで来たら、後は切り抜くだけだ。
さすがに5ミリの鋼板を金ノコで切るのは殺生なので、ジグソーで切ってやろう。
最近はジグソーも安くなってるので、ぜひ1つ買ってみよう。
ま、今回は一応ジグソーでチャレンジしたんだけど、
ステン刃しか持ち合わせが無くエラい時間が掛かるので、
横着してガス切断でサクッっと切ってしまった。
俺にはまだやる事が多いんだから堪忍してくれ。(^^;
切り出せたら、タービンに固定する為のM8ネジを切ってみよう。
タップが無い向きは、貫通穴にしてボルト&ナットで止めてもらっても一向に構わないけどね。
キリで穴を開ける時、タップ&ダイスでネジを切る時は、必ず切削油を使う事。
切削油と言っても大層なモンでもなく、手近にある油で結構。
俺は車やバイクのオイル交換で余ったオイルを使ってます。
間合わせなら
ただの水
でもいいから、必ず潤滑&冷却を行う事を忘れないようにね。
ホームセンターでセット980円で売ってるようなキリでも、
大事に使えば半年は研がずに使えるのだ。
ボール盤がある向きは、タップを垂直に立てるのにこんな方法を使うが吉。
手で回して最初の2〜3山まで切れたらチャックから外し、
普通のタップハンドルに付け替えて切れば嫌でも垂直に打てるのだ。
タップは一気に回すと刃がダメになるし仕上がりも悪い。
半回転程切ったら一度ハンドルがスムーズに回るまで戻してやろう。
こんな感じに仕上がった。
穴同士がピチっと決まって、ネジがスルスル入っていくのはとっても気持ちが良いのだ。
フランジ1つでも結構楽しめるのだ。
コレに燃焼室の燃焼筒をタービンの口径まで絞るテーパーを取り付ける。
テーパーに使うのは、先程紹介したモグラを使用するのだ。
まあこんな感じ。
ココでフランジに入るまで突っ込み、ソコでグリグリ回してやれば・・・・
こんな感じにキズがついてくれるので、この線でスパっと切ってやれば、
ほぼ穴口径と同じになるのだ。
そして溶接する部分の亜鉛メッキをサンダーで削り落とすと同時に、
V字状になるように削っておくのだ。
こうすることによって溶接の肉が奥まで溶け込んでくれて強度が上がるし、
ビードも引き易く仕上がりもキレイで簡単なのだ。
まあウチで使ってるような出力調整壊れたデカい溶接機ならこんな事しなくても
風穴開くほど
溶けてくれるんだけど、これは溶接の基本中の基本だし、
容量の小さい溶接機なら気を使うべきトコだ。
とりあえず垂直を見ながら仮付け。
む、少し歪んでるような・・・まあいいや。
斜めになったからって支障は無い場所だし、んなモン気にするのは
マトモなのを作れるようになってから
で良いのだ。
溶接完了。
やはり思った通り肉が薄くて穴が開きまくり・・・
ウチの骨董品の溶接機は
出力調整ノブが吹き飛んでる
んだよ!
3.6ミリ溶棒@10ミリ鉄板の出力でこれだけつけられりゃ大したモンだ・・・と言い訳をしておこう。(−−;
普段ならガス溶接でやるんだけどなぁ・・・
今回は比較的誰もが使えるであろう技で挑戦するのがルールなのだ。
ちなみにナットが2つついてるのは、ネジ山の保護の為のマスキング。
大丈夫だろ〜と溶接してて、何度もネジ山溶かした経験あるからね。(笑
そうそう、先程の図面と照らし合わせたら違うぢゃね〜か!って声も聞こえるが、
実はその通りで、図面のは改良(?)バージョン。
コレの製作時に頭の中でこんな感じを予定してたのだ。
けどよ〜く考えりゃモグラにズレ止めついてんだよな。
しかも溶接個所が増える・・・だから後で後悔した方法で図面にしたのだ。
こんな感じ。
ちなみにこの方法だと、精度さえバッチリ出せれば多少の改良で溶接無しでも作れない事は無い。
でも溶接くらいは経験しといてバチ当たらないし、
なにより簡単なので今回はあえて説明しないでおこう。
精度は出せても溶接ダメって向きは、適当にアレンジして頂きたし。
さて次に、燃焼機の上下のフタを製作する。
コレも5ミリ鉄板を使い、80ミリの正方形に切断する。
この2枚の鉄板で燃焼筒と空気筒をサンドイッチにして蓋をするのだ。
締め込むのには寸切りボルトを使用する。
そうそう、この穴のケガキも、加工を始める前に全部行い、ポンチを打ってしまうこと。
切った後からケガいても、80ミリドンピシャで切れてる訳ぢゃないので確実に誤差が出るのだ。
穴の大きい方がタービン側に来る。
写真ではこういう感じになってるけど、今説明してる改良版(?)だと違うけどね。
あ!しまった!!
今コレ書いてる時に気づいたけど、フランジよりも先に、
モグラをフタに溶接しとかないとダメぢゃないか・・・
ふ、まさか初見でイキナリ作ってるヤツぁ居ないだろ。(^^;
さあ、どういったモノを作りたいのかほぼ理解出来ただろうか。
次からは燃焼筒で難しいトコの空気穴を攻めていきやしょうか!