バッテリー溶接機 †
■ご忠告(^^; コレを書いてた当時はロクな溶接機が無かったんですが、現在では madeinあちゃらの溶接機が手頃な値段になっています。 ボディ切り継ぎや、3mm程度の工作で良いのなら、素直に100Vの半自動 溶接機でも買った方が良いです。結構使えますし十分です。 アークであれば、チョイと奮発して100Vのインバーター機を買えば、 100Vでもかなり溶けます。 そんなゼニ無ぇ!というなら、お家のブレーカーが単相三線になってるか どうか確認して、200V取れるようであれば200Vのアーク溶接機を買いましょう。 ただこのバッテリー溶接機、ケーブルさえ作っておけば、電源の無い所とか 出張溶接、どうしてもブ厚い溶接したいって時に使えたりもします。 僕も今では300A交直TIG兼アーク溶接機なんてなオーバースペックな機械持って ますが、今だに持ってますし、たまに使います。便利ですよ〜
バッテリー溶接機とは、車用のバッテリーを直列に繋いで溶接機にしちまうっていう単純明快なシロモノ。
こんなテキトーなのでも立派に溶接出来るどころか、
ヘタな溶接機より高性能
なのが出来上がる。
アーク溶接は電極の間で電気を放電させ、その時の熱で鉄を溶かして接合するモノなんだけど、そのアークを出す瞬間に凄い電流が必要なのだ。
普通の交流溶接機だと元々の電流が限られてるだけに、突発的に大きな電流を一気に立ち上げるのが苦手。
ところがこの電源をバッテリーにしてやる事で、ドカンと一気に大電流を放り込んでやる事が出来るので、非常に扱いやすい溶接機が出来てしまうのだ。
実際に動力電源の交流アークを使ってる俺が
簡単さにビビる
くらいスッとアークが出て、スパッタ(溶接時に出るカス)とアーク音が非常に少ないという素晴らしさ。
家庭用100Vアーク溶接機もいいけど、アレは何かと扱い辛い&結局使い物にならないので、あんなモンに金を捨てるくらいならその金でバッテリーとブースターケーブルを買ってくるべし!
さて、用意したのはこんなトコ。
コレが溶接機の材料だと普通思うか?(笑
まずはブースターケーブル。
ホームセンターで売ってた
自称トラック用
のモノで、長さが5メーター。
確か値段は1300円程だったかな。
とにかく出来る限り太く長いモノを買ってくる事。(長さについては後述)
というのも、一応公称100Aなどとエラそうな事を書いてあるが、実際の芯線径は8SQE程しか無いので、
正味60A
程のモノだ。
実際コレを2トントラックなんぞに使ったらドロップが大きすぎて使えたモンじゃない。
まあ少なくとも公称100A以上のモノを買ってきて欲しい。
不安ならモノホンと同じケーブルの使用をオススメする。
電気材料店で「WCTの22スケ!溶接機に使うねん!!」と言えばOK。
余談だが、ホームセンターや自動車用品店で売ってるブースターケーブルは、
トラック用辺りが丁度普通車に適合する。(笑
一般に普通車用と称して売っているモノは、被服がやたらブ厚いけど
芯線は3.5SQEなんてなゴミ
が多い。
3.5SQEだとロス無く流せるのは
精々30A程
なので、正味軽四どころか原付スクーターでも役不足であり、普通車であるハズのクラウンやセドリッククラスなんかに使うと
5秒で断線する
という、凄まじい粗悪品&誇大広告である。
例え軽四でも、ホームセンターでブースターケーブルを買うときはトラック用を買うように。
え?ディーゼルの4駆に乗ってる?だったら自動車工具屋で本職用のブースター買うか、溶接機用ケーブルをブッタ切って自作するべし。
で、次にバッテリーのターミナル。
我らの味方、エーモン製で400円也。
コレを3つ買ってこよう。
ターミナルにはB型とD型があるんだけど、今回は軽四のバッテリーを使うのでB型。
BとDの違いはぶっちゃけた話ターミナルの大きさ。
軽四や小型車は大抵がB型バッテリーで端子が細い。
小型以上やトラックは大抵D型バッテリーで端子が太いのだ。
金が湯水のようにあるのならD型ターミナルを使って大きなバッテリーを使うのをお薦めするが、それでは
エセ溶接機よりホンモノ買え
ってくらいの値段になってしまうので、あえてB型で行こう。
軽四用のB型なら、今ホームセンターで
新品が3000円
で買えるし、解体屋で中古を探すにしても格安かつ在庫も豊富。
解体屋でもD型は新品が高価なので結構強気な値段を吹っ掛けるのだ。(ニヤ
で、コイツが溶接棒のホルダー。
以前ブースターケーブル付属のクリップで試したんだけど、溶棒が細くて掴めないし、
抵抗も大きいのであえてココだけはホンモノをお薦めする。
ちなみにコレはウチの溶接機の予備用に置いてたヤツなんだけど。(^^;
ホームセンターだとヘタすりゃ
100V溶接機が買えてしまう
程やたら高いので、安いヤツを頑張って探しましょう。
サイズは一応バッテリー次第では3.6でもイケるけど、2〜2.6ミリ辺りがオススメ。
あとはホームセンターなり解体屋なりでB型バッテリーを3つ用意する。
今回は軽四用の38B20辺りを集めて来た。
さて、これらを組み合わせてみよう!
まずはおもむろにブースターケーブルを端から30センチ程でブッタ切り・・・
バッテリー間のジャンパーを2本こしらえ、切断したトコにターミナルをつけてやる。
バッテリーを直列接続するので、ジャンパーは両端に+と−が来るのをお忘れなく。
後は残った方端の+側だけクリップを切り落とし、溶棒ホルダーを付ける。
アース側はブースターのクリップをそのまま使用して構わないけど、本当ならコレも専用品をオススメする。
とまあ、エラそうに長ったらしく説明しても、実は
これだけで完成
なのである。
後はコイツらを使ってこんなカンジでバッテリーを接続するのだ。
ホントにコレだけで高性能溶接機の完成。
今回は軽四用バッテリーだけど、予算が許すなら60B辺りを探してくれば、200V動力電源の溶接機にも負けないパワーを発揮するでしょう。
ただ使用中はバッテリーから水素が発生するので、くれぐれもガレージ内とかの密室では使わないように!
溶接のスパッタが飛ぶとマジで
爆発します!
バッテリーが爆発するとバッテリーが裂け、希硫酸が四方八方に飛び散り大変な事に・・・
昔オヤジがバッテリー充電してるのを忘れ、ハタで溶接機使ってやらかしました。(--;
密室なんかでつかってるとマジで命落しかねません。
使用中はバッテリーの上にシートを被せておくなどして、直接スパッタが降り掛からないようにし、使用時には出来る限りバッテリーから距離を置くようにしましょう。
だから先で「出来る限り長いのを買え」と書いておいたのである。
さて、実際にコレを使って溶接してみよう!
そこらに落ちてた(オヤジが何か作るのに用意してた)肉厚2ミリのCチャンネルを溶接してみた。
溶棒の手持ちが3.6ミリしか無かったので少しパワー不足&穴開けてしまったけど、
この程度ならサクサクっと付いてしまう。
2ミリの溶棒ならもっとキレイに付いたハズ。
アーク溶接カジった人間なら気付くかもしれないけど、普通の溶接機だともっとド派手にスパッタが付着するんだけど、バッテリーの直流だと非常に少ない。
って言うか、コレについてるスパッタって、最初のアークのタッピングで出たモノだけなんだけどね。
とにかくバッテリー溶接機は初期アークがダントツに出し易く、スパッタとアーク音が少ないのが特徴。
次は先程のCチャンに肉厚5ミリのアングルを溶接。
さすがにポンコツ軽バッテリー@サブロク溶棒で5ミリアングルともなると放熱量が多いので上手くアークを持続出来ない。
それでも頑張れば溶接は可能。
100V溶接機だと多分アークすら出ないと思うし。(笑
まあ前に実験した時ではもっと元気に溶けてたので、元気なバッテリー&もう少し細い溶棒なら問題無かったハズ。
欠点は使用時間が短いってトコか・・・
でも素人がオモチャ作るのには十分なハズ。
てなモンでいかがなモンでしょうか?
素人が安価で気軽に使える範囲ではコレが一番上等だと思うんだけどねぇ。
コレ以上となるとどうしても200V動力機でないと無理だしね。
さあみんなもコレ作ってどんどんゴミを繋ぎ合わせて
もっと大きなゴミ
を造り出そう!!(ォィ