Top / 実験車両 / タクト / カウル修理

樹脂カウルの補修

Tag:

バイクに転倒は付きモノである。
で、今時のバイクに樹脂カウルも付きモノである。
ましてやスクーターなんぞは

全身樹脂カウル

である。

んで、この樹脂カウルは割れると始末が悪い。
鉄だと溶接なりハンダ付けなりしてパテ盛って色塗ればいいんだが、樹脂カウルには正直な話コレといった補修法が無いのだ。
でもカウルは非常に高いのでなんとか直して使いたい・・・
てな訳で俺が今までやってきた補修法を紹介したいと思います。

まず最初にカウルを

蹴り割る

このタクトは外装とってもキレイなので本末転倒だが思いっきりケリを入れさせてもらう。
それでもバキンとは割れてくれないので

ハンマーでドツき回し

ペンチで破片をむしり取った。

これが

caul1_1.jpg

こうなって

caul1_2.jpg

こうなった。

caul1_3.jpg

実際にはコケてカウルバキバキ、風穴開いてる状態を想定して欲しい。
ここで覚えておいて欲しいのが、実際にコケてカウルが割れた場合、落ちこまずに破片を出来る限り &256x(32){">拾って帰ってくる こと。
俺の友人がNS−1でスッ転んだ時も、後からわざわざ拾いに行ったくらいだから。(笑

さて、実際に補修に掛かろう。
主に使用する道具は・・・

  • デイトナ・プラリペア
    バイク用品と言えばデイトナ。樹脂カウルには必携。
    今回使用したのはデイトナのモノではない業務用だが、内容的には全く同様。
  • ゼリー状瞬間接着剤+硬化促進剤(瞬間液)
    仮止めに使用します。
    1センチ程度のヒビならこれだけで十分なんだけどね。
  • ガムテープ
    これも仮止めに使用。
  • リューター
    今回はリューターを使用しました。
    ヤスリと彫刻刀とペーパーで代用可能
  • 脱脂洗浄剤
    シンナーで代用可能

まず先に、周りのひび割れの補修から。
ひび割れた部分の塗装面が平面になるように軽く曲げ、塗装面からガムテープで仮止めします。

caul1_4.jpg

んでもって、裏側からひび割れた部分をV溝状に掘ってしまいます。
今回は安物リューターで掘りましたが、別に彫刻刀で掘っても良いでしょう。
ただ掘った後は100番くらいのペーパーでキズをつけておくべし。
小さなキズがあれば、プラリペアが良く浸透するのだ。

caul1_5.jpg

こうしてやることで、プラリペアで接着する際の接着面積を増やせるので、 強度が保てるようになるのです。
反対にコレをやらずに接着すると、間違い無く剥がれてしまいます。
横着せずにちゃんと下準備しましょう。

んでもってもう一度塗装面の平面を確認してから、瞬間接着剤をチョンチョンと数カ所に点付けし、 瞬間液でイッキに固定します。
未確認情報ですが、瞬間液の代用にタバコの灰が使えるそうな。
でもこれくらい買っても

バチ当たらない

とは思うけど・・・

写真が手違いで消滅(^^;

で、洗浄剤で脱脂した後、いよいよプラリペアを流し込む。
流し方には色々な方法があるけど、これは付属の説明書を見て欲しい。
俺が使う方法は、粉末に針で溶剤を垂らし、先に出来た樹脂の塊を傷口に落として行く方法。
これも説明書に載ってるはず。

例により写真消滅(^^;;

そんなこんなでヒビは埋まった。
実際に埋まった写真がないけど堪忍してほしい。
次からの状態を見れば埋まった状態も想像出来るはずだから・・・m(_ _;)m
てな訳で、次は割れて空いた穴の補修。
ここで初めて拾い集めた破片を使います。
まず最初に破片をジグソーバズルのように並べてみる。
で、破片の収まり所が予想出来たら、破片とカウル側の断面を斜めに削ってしまう。

caul1_6.jpg

ついでに破片の周りも軽く削って小さくしてしまったほうが後々収まりが良い。
んでもってまたまた塗装面からガムテープで仮止めを施す。

caul1_7.jpg

んでもってまたまた瞬間接着剤でキッチリと仮止めしてやる。

caul1_8.jpg

この時塗装面から見て、ちょっと凹んでるくらいのほうが良い。
というのも、塗装するのが前提だから、へこんだ部分はパテ盛りすれば良いけど、 飛び出た分に関しては削らないといけない。
いくら樹脂がやわらかいとはいえ、

パテを削るのとでは苦労が違いすぎる

のだ。
もちろん塗装しないのであれば、気合を入れて位置決めして欲しい。

覚悟が決まったらひび割れ補修の要領でプラリペアを流す。
流し終えたらじっくり時間をおいて乾燥させる。
最低1日は寝かしておいたほうが良いだろう。

裏から

caul1_9.jpg

表から

caul1_10.jpg

これで穴は埋まったけど、このままでは情けない。
てな訳で次はパテ埋めして塗装を施す

caul2_1.jpg

まず塗装面に出来てしまった段差をサンダーで大胆にカットしてしまいました。
出っ張ったプラスチックを人力で削るのには大変な労力が必要・・・というか

不可能に近い。

パテなら100番のペーパーでガリガリ削れるから、結局はこっちので仕上がりきれいで早いのだ。 んであとは普通にパテを盛る。

caul2_2.jpg

んでもって100番ペーパーと当て木を使って粗出し。

caul2_3.jpg

まだヘコミがあったら更にパテを盛り削る。
これを気が済むまで繰り返す。

caul2_4.jpg

気が済んだら1000番のペーパーでツルツルに仕上げて、 脱脂してからサーフェイサーを吹く。
ただココで問題があるのだ。
金属に吹くのなら何の問題も無いのだが、樹脂カウルとなれば話は別だ。
塗料は溶剤だから、表面の塗装も下地の樹脂も溶かしてくれる。
これが大問題。
両方の層の溶け具合が違うので、俗に言う「縮み」が発生するのだ。

caul2_5.jpg

やってもうた・・・
この症状は特に今回のように、表面の塗装がハゲて、下地が出ているときに出る。
これは当然予想していたことなので、いつものように乾いてから、600番のペーパーで削り取って再塗装する。

がしかし、今回は強敵である。
いくら削って塗っても一向に収まらない。
やればやるほど広がって行き、最終的には

元の大きさの3倍以上(当社比)

になってしまった。
本当に頭抱え、どうにかせなならんと結局根性で乗りきってしまった。
その方法は、本当に薄〜く、ザラザラ状態にサーフェイサを吹く。
で、完全に乾いてからまたザラザラに薄く吹く。
ひたすらコレを繰り返す。
気の短い俺にとっては、ホテルの前まで来て嫌だとゴネられるくらい辛い思いをした。
まあおかげでなんとかゴマかすことが出来た。

caul2_6.jpg

種類違うサーフェイサ使ったからマダラになってます。
んで、ここでようやく色を塗る。
だが更に縮みを広げてしまうのは許されない。
で、モノは試しに水性塗料を使ってみた。
元の色に合うようにパール色を塗っても良いのだが、水性塗料でパールってヤツぁ見たこと無い。
おまけに高いし・・・
ましてや

普通に街乗りする気一切無い

バイクに、気合入れてもしょうがないから、なんとなく塗ってみたかった水色を買ってきた。
さすがに水性塗料なら溶剤も強くは無いだろうというかすかな希望である。
実際に塗ってみると、全然縮みは出ない。
はあ、これで余計な苦労をせずに済む・・・

caul2_7.jpg

という風に、キレイに塗装できました。

caul2_8.jpgあ・・・

という風にキレイに塗装出来ました!

あとはクリアを塗ればOK!


[ 戻る ]
Top / 実験車両 / タクト / カウル修理
トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS