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NSR50前足移植  - 2006-10-03 03:53:44 (火) -

しらいのバイク変造のポリシーとして、

フォークは太けりゃエラい
ブレーキはデカけりゃエラい

というのがある。
もちろんシャリィノーマルの10インチ&洒落た倒立グリスダンパーフォークも嫌いじゃない・・・というかむしろ好きだけど、やっぱりイジるとなりゃ真っ先にやりたい部分。
無論4miniの仲間だから色々な方法と様々なアフターパーツがあるので、それらを組めば自由自在に色々な足やブレーキを組める。
しかしそこはヘソ曲がり&ゼニを使いたくない俺である。
以前何かの検証用にと、産廃の山から捕獲しておいたNSR50の足が倉庫の隅で腐りかけているので、コイツを付けてやろうではないか。
そして、Webで見る限り、どうもシャリィで12インチ仕様というのを見掛けない。
当然ホイール&タイヤもNSR50の12インチを移植してみようではないか。
言っておくが、決して

10インチホイールとハブを買うのが嫌

という貧乏臭い理由ではない事を強調しておく。(ホンネやろ



ステム延長

バイクのカスタムでよく有るフロント足周り移植。
ココでキモとなるのがトリプルツリー(以下三つ又)移植である。
バイクのフロント周りは基本的にフレームのネック部分にベアリングが仕込んであり、ここに三つ又をブッ刺してフォークを2本ブッ刺してホイールを付けている。
当り前の事だけどバイクの基本中の基本で、カブでもmotoGPのRC211Vでも一緒である。
ここで考え方を変えれば、このベアリングと三つ又さえどうにかすれば、

カブにRC211Vの足が付く

のである。
もちろん実用性を度外視すれば、

RC211Vにカブ足

だって可能なのである。
そこでヘタにフォークのみ移植やホイールのみ移植しようとすると、結局三つ又の幅の関係で、ホイール幅やキャリパーのオフセットで頭抱える事になるのである。

てなモンで、シャリィのネック&ベアリングに刺さるNSR50の三つ又を作れば、自動的にφ30の極太&高性能フォークと強力なディスクブレーキ、そして極太のハイグリップタイヤが履けるホイールが付く事になる。
こんな

一粒で三度おいしい

事はそうそう無い・・・だから俺は三つ又移植が大好きなのである。
早速出来るかどうか検討してみようではないか。

さて、足移植の前に必ずやっておかねばならない事がある。
それは

ノーマルの寸法データ取り

である。
バラす前にノーマル状態でのフォーク長や車高、ホイールベースを可能な限り計測しておく。
そうしておかないと、後で絶対に困るのだ。
この先もしステムが移植出来たとしても、実際にフォークetcをフィッティングする際に、ノーマル車高がわからないと、ホットロッドになったりチョッパーになったりする。
狙ってそうするなら結構だけど、やはりマトモに走るバイクを目指すならノーマルの姿勢を参考にするのが一番の近道である。

で、分解して、とりあえず見比べてみる。

CA330172.jpg

シャリィに比べ、NSRのステムは明らかに短い。
しかしベアリンクがリテーナ付きか無しかの差はあるけど、レース自体は共通のようだ。
しかもオイルシールもヘタすりゃそのまま使えそうな勢いだ。
少なくともステム打ち換えすりゃ間違いなく入りそうだ。
しかしシャリィの三つ又は鉄板が薄く、当然ステムの嵌合も少ない。
コレをブチ抜いてNSRのステムに入れてみた所で不安が残る。
どうしてくれよう・・・そうだ、俺が初めての足流用でやってみたアレを試してやろう。
そうと決まった所で、他の懸念となる部分も探しておく。

CA330169.jpg

まずNSRの三つ又のハンドルストッパーが干渉する。
まあこんなモノはブッタ切ってしまい、新たに新造すればよろしい。
んでトップブリッジ。

CA330170.jpg

NSRのトップブリッジのキーシリンダが付く部分にガード状のモノがついてて、シャリィ純正ライトを移植する際に問題になりそう。
まあこんなモノもブッタ切れば良いだろう。

で、ベアリングの確認の為にとりあえずブッ刺してみる。

CA330168.jpg

お、兜フェンダーも小加工で収まりそうではないか。
そしてスプリングをフリーにして、物理的なブルバンプまで下げてみる。

CA330167.jpg

フレームやエンジン等に干渉しないし、フェンダー入っても楽勝なんで、元車高程度まで下げても大丈夫だろう。
しかしNSRのフォークが短く、トップブリッジまで届かない。
これは延長してやれば大丈夫だろう。 それについてはちゃんと考えがあるんだけど後ほど。
あとシャリィはハンドルロックが別体になってるんだけど、これもシャリィのブラケットをブッタ切って移植すればOK。
とりあえずステムをどうにかして延ばせばどうにでもなりそうだ。

さて、どうやってステムを延ばそうか・・・考えは単純で、

足りなければ足せば良い

のである。
それは、ステムパイプを途中で切断し、何かのパイプか鉄棒で足して延ばしてやればよいのだ。
但し真っ直ぐ延長しないとダメなんで、ステムパイプ内側でそれなりに精度が出ていないとダメ。
そこでNSRのステムパイプ内側を覗いてみると、安物の電縫管ではなく、イッチョマエに引き抜き管らしく、そんなに悪くはない予感。
よし、さっそくブッタ切ってみよう。

CA330174.jpg

ちょっと前に衝動買いしたバンドソーだけど、現在大活躍中。
これは便利だよ〜

CA330175.jpg

まあこんなカンジで、この隙間に何かを足せばOKなのである。
しかしどうやれば精度良く延長出来るか・・・それが問題なのである。
そこでノギス片手に鉄屑入れの中を漁って、CT51SワゴンRのスタビを拾い出し、おもむろにバンドソーで切る。

CA330176.jpg

いや〜硬ぇ硬ぇ・・・さすがのバンドソーも歯が立たなかったので、諦めて切断砥石で切り落とす。
スタビなだけにスプリング鋼か何かか?
この材料をベースにするのだが、当然コレを付き合わせで溶接しても歪むのは目に見えている。
そこで旋盤に噛ませて挽いて直径を合わせ・・・

CA330177.jpg

こういうモノを削り出す。

CA330181.jpg

CA330182.jpg

この両端はステムパイプ内径の3/100大きく削ってある。
当然このままでは入らないのだが、焼嵌めと言って、ステムパイプ側をガスバーナーで炙って熱膨張で広げてやる。
そこで間髪入れずに先程の延長棒を叩き込むとスポッと入ってしまう。
CA330183.jpg

そして冷めると熱膨張で広がった分が戻り、ガッチリくわえて放さなくなるのだ。
じゃあ暖まったら抜けるんでないの?と思いがちだが、これまた同時に温まるので、内も外も膨張して結果抜けないのだ。
こうやって焼嵌めたら、まあまず抜けない。
じつはコレ作ってる途中で寸法間違えてて泣く泣く抜いたんだけど、外側を赤熱するまで温めて鉄棒入れて大ハンマーでドツき回しても抜けねぇ抜けねぇ・・・結局30分格闘してようやく抜けた。
それくらい頑丈に食らいつくので、強度も精度も文句無いだろう。
で、絶対に抜けない自信は有るけど、一応TIGで軽く溶接しておく。

CA330184.jpg

このままではベアリングが入らないのでベルトサンダーでビードを削って完成。

CA330185.jpg

これでハンドルストッパーを切り落とせばスッポリと収まった。
しかしこのままではトップブリッジに固定出来ない。
これまた延長してやれば良いってなモンで、ジュラ材削ってスペーサーを作る・・・のだが、鋼材屋さんに注文したばかりで届いてないから後回しで細かな部分を先に片付ける。
まずはハンドルストッパーの製作。

CA330188.jpg

左右にハンドル切ってみて、各部に干渉しない程度の位置を探り、鉄を切ったモノを溶接してやる。
半自動でチョンと仮付けしてるだけなんで、この後ハンドルストッパーを移植後TIGで舐めてやる。
さてハンドルストッパーを・・・と思ったが、キーが見つからずに断念。(ォィ
これまた放っておいて、トップブリッジの加工。
シャリィのトップブリッジからキーシリンダ取り付けのブラケットをブッタ切り・・・

CA330190.jpg

NSRトップブリッジに溶接。

CA330191.jpg

そしてキーのガード部分が邪魔なので切り取る。

CA330192.jpg

しかしリブが掛けるので強度が怪しいし、なによりも格好が悪い。
そこで似たような厚みの鉄板をバンドソーで切り出し、3本ロールで軽く曲げる。

CA330193.jpg

で、端だけ仮付けして沿わすように曲げて仮付けを繰り返し・・・

CA330194.jpg

肉盛りする勢いで溶接。

CA330195.jpg

こういうのは慣れたTIGでやった方が早いんだけど、せっかく半自動買ったんで、練習かねてやってみた。
んでコレをディスクグラインダーとベルトサンダーで形を整える。

CA330196.jpg

お、我ながらキレイに出来てしまったではないか。
ホントはこういう事慣れてないんだけど。

とりあえず材料来てないのでここまで。

●一行コメント



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フォーク延長カラー

さて、NSRフォークでシャリィノーマルの車高を実現しようとすると、どうしてもフォーク長が足りないのだ。

CA330186a.jpg

それとNSR50のフォークは、鉄製のキャップがトップブリッジを貫通し、ソコに上付けのセパレートハンドルが付くようになってる。
いくらなんでも

セパハンのシャリィ

というのは逝っちゃってるから、この部分の処理も考えなくてはならない。
そこで、この出っ張り部分に入るような、フォーク延長カラーをこしらえてやれば万事解決である。
ネット鋼材屋さんに注文しておいたローラー加工(芯貫通穴)済A2017ジュラ棒が届いたので、早速旋盤で掴んで回して削る。

CA330167_0.jpg

貫通穴開いてて内グリするの楽で、なによりも安かったんで買ってみたけど、落ち着いて考えてみりゃ外径かなり削らないとダメなんで、素直にφ40程度の棒材買った方が早くて安かったな。orz
ちなみにウチの店はよく鉄骨買うんで、鋼材屋さん(しかも近所)と付き合いあるんだけど、ネットの鋼材屋さんは切り売りして貰えるんで良く利用させていただいてる。
特に丸棒とか定尺で買うのは結構度胸要るし。(^^;

てなモンで、こんなモノが出来上がった。

CA330168_0.jpg

コレをフォーク上部に付けてやると、フォーク延長出来るのと、トップブリッジの面にボルト締め出来るようになる。
ホントはネジを切ってキャップ外して交換するようなのにしたかったけど、ウチのボロ旋盤はネジが切れないんだよなぁ・・・orz

CA330169_0.jpg

これでフォーク自体の移植は完了。
後はハンドルやフェンダー、ライトステーをどうするかだ。

●一行コメント
  • あぼーん -- From USA? 2007-04-27 07:17:36 (金)

2007-05-06 16:46:57 (日)


2007-05-06 16:48:24 (日)



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