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ソアラTurboR

[添付]

アルバイト先にJZA70が入庫したので、一度作ってみたかった組み合わせ&憧れのTIG溶接機を

27億万円

も出して衝動買いしてしまい金欠だったので、その費用捻出の為製作してみました。
ズバリ、

GZ20とJZA70のニコイチ

を作ってしまおうという企み。
本当は製作過程を細かく紹介したかったんだけど、正直な話プラットホームが同じこの2台、特にコレダ!と解説せねばならない箇所が無いのと、

写真を取り忘れた

のと、なによりもかなり以前の作業で

今更覚えとらん

ので、製作時のメモとして紹介したいと思います。


まず用意するのはベースのGZ20とドナーのJZA70。
両者のエンジンとパワートレインをメンバーごとゴトっと落としてしまう。
そしてGZ20のボディーにJZA70のパワートレインを移植するワケですが、ここで注意するのがエンジン積んでしまう前に、クラッチマスターとパイプ、ブレーキ&クラッチのペダル類の移植は当然として、真っ先にJZA70のエンジンルーム向かって右側のパワステオイルタンクのブラケット類を移植する事。

[添付]

コイツのブラケットの穴1つが足りないので、エンジン積む前に穴開けしておかないと面倒な事になります。

で、GZ20のボディーにJZA70のエンジンとパワートレインをメンバーごと移植してしまう。
もちろんボトルポンですが、留意するポイントが多少有ります。
まずGZ20とJZA70は同じプラットホームなのに何故形式が全く違うのか?という事。
それは、Z20系はA70系に比べ、

ホイールベースが延長されてる

んですよ。
だからZ20系にA70系のマフラーを流用しようとしたら、長さが足りなくなるワケです。
てなモンで、ホイールベースが係わる部品はGZ20のモノを使う必要があります。
それは

ペラシャの2軸とサイドブレーキのワイヤー

です。
これらはGZ20のものを外して移植してください。
それ以外は全く一緒で、ボトルポンで移植可能。
もちろんJZA70の16インチホイール用ローター&キャリパーもそのまま流用出来るワケです。
ブレーキブースター&ブレーキマスターも移植したのですが、これらはターボ系のソアラであれば共通で、特に交換の必要は無いです。

で、次にエンジンの補機類の処理。
インタークーラーについてはJZA70のものが配管を含めボトルポン。

[添付]

但しボンネットのストライカーが若干邪魔をするハズなので、上手く加工してください。

[添付]

こんなモンイラネーと毟り取ってしまうようなバカな真似はしないでください。
コイツは単なる鉄板のようでも、物凄く重要な部品で、風圧で浮き上がろうとするボンネットをコイツで引っ張っていますので、取ってしまうとソアラの特徴のクソ長いボンネットが自分に向かって吹き飛んできますよ。(^^;
で、ここで鬼門となるのが1JZ-GTEの油圧クーリングファンとパワステクーラー関係。
どちらのものもそのまま流用出来ないので、ここらは気合で切った貼ったしてください。
僕がやった方法は、パワステクーラーはGZ20のものを切断&曲げ加工して流用。
クーリングファンクーラーはGVFWカペラカーゴのオイルクーラーを使用。
あとバンパーのホースメントを若干切ったような切らなかったような・・・これで前ツラは全くのソアラのマンマで納まります。

次に配線ですが、これは気合で頑張ってください。
似たような車なので配線も似たようなモン・・・じゃないです。
結構コイツには手間掛かりました。
ポイントはこんなカンジ。

  • 左フェンダーを外しておく
    これから書く配線がアレコレと増える=フェンダー内のハーネスに追加の線を張る必要があります。
  • オルターネーターの+B配線増設
    1JZスワップの恒例行事のこの作業。
    オルタにもよりますが、大方100A流れるのでハンパな配線したらクルマ燃えまっせ。
    僕はJZA70のオルタ線接続端子を移植し、そこから反対側ヒューズボックスまで8sqeの線を2条増設。
    コルゲートチューブなんかを使ってキッチリ絶縁してくださいね。
  • クーリングファンコンピューターが増える
    コイツの電源とタコメパルス、エアコン増速(後述)、クーリングファン用水温系辺りを別途繋ぐ必要アリ。
  • ソアラは全車デジタルメーターである
    JZA70は大抵がアナログメーターだと思うけど、コレのエンジンハーネスにはデジタルメーターのセンサーの配線が来てないんです。
    +電源とセンサー出力を根元まで増設する必要があります。
  • クーリングファンの増速が利かない
    コレにハマりました。
    配線を追いかけてみるとわかりますが、油圧ファンのエアコン増速入力を繋ぐ先がありません。
    これはGZ20のエアコンの高圧側についてるプレッシャースイッチを、JZA70のモノに交換してください。
    JZA70のプレッシャースイッチは3段階の接点があり、まずガスが入っていない時のコンプレッサー保護の接点、そしてコンデンサーオーバーヒート事の予備ファン起動接点(確か)、更に通常のエアコン使用事に少し高圧側の圧が上がったら油圧ファンを増速させる接点があります。
    リレーか何かでコンプレッサーと連動させてしまえば良いのですが、せっかくですから生かしてあげてください。
  • コンプレッサーが回らない これにはドハマりしました。
    結論から言えば、GZ20のECUのA/C入力はどうもフォトカプラ入力かソレに準ずるモノのようで、単純にデジタルテスターなんかでGZ20のエアコンコントロールユニットの出力を計測したら12V出てるんですが、実際に繋ぐと動かない。
    それはフォトカプラのLEDに合わせて抵抗入れて電流制限してるからで、実際にソアラのA/C出力にLED直結したら丁度良い加減で光ります。
    本当に12V出てたら一瞬で煙出るハズなんですよね。
    結局GZ20のA/C信号では、JZA70のA/C入力をドライブする能力が無いワケなんです。
    てなモンで、コレには追加回路を入れてやる事で解決します。
    具体的にはフォトカプラを追加して、JZA70のECUのA/Cに、生の12Vを入れてあればOKです。

    [添付]

配線に関してはこんなもんでしょうか。 あとマフラーはGZ20のモノを使ってください。
JZA70のモノは長さが足りません。
ここまでくれば、他に特に書くべきような事は無いでしょう。

次に一番肝心な構造変更について。
基本的には同系車種のJZA70から全部持ってきたからクソ面倒な事ぁ無ぇという理屈で通すんですが、ペラシャ2軸についてはGZ20のモノを使っているので強度検討が必要。
テキトーに書類デッチ上げて審査通して、実際にラインに入って同一性チェックの時に、まさかの待ったが入ってしまった。
ここでまた意外な鬼門があり、ペラシャの寸法は諸元からJZA70の1軸のものと、GZ20の2軸のものを引っ張ってきて強度検討を行ったのだが、JZA70の1軸とGZ20の2軸の組み合わせの場合、スパイダーの都合でペラシャの長さが変わるのだ。(^^; いやまあ現物の長さは変わらないんですが、検討書で言うペラシャの長さとは、シャフト両端のベアリング芯間の長さなんですね。
で、実物の1軸リア側ベアリングとスパイダーは、2軸にくっついているワケですがコレが問題。
異車種混合してしまうと、諸元の数値よりも長くなってしまうのだ。(^^;
結果、下回り検査のラインでペラシャの長さ見てもらってる時に

おーい、ペラシャの長さちゃうど〜

とお叱りを受け、審査やり直しとなりました。
結局純正同士の組み合わせで諸元の寸法が出ない事、そして切断&溶接は一切行っていない事を明記した上で、長さのみ現物の実測値で強度検討を行いOKとなりました。
申請した書類のPDFを公開しようと思ったら、安物PDFライターの具合が悪く上手く変換できなかったのでまた後日。

てなモンで出来上がったソアラTurboRは、そりゃもう極普通のやたら速い高級車でした。
高速に上がり、チョイと踏み込んだらリミッター掛かりやがります。
それくらい何の不安も無い、出来の良いスワップマシンでした。
その後テキトーに乗り回し、ヤフォークで売り飛ばされました。
買われた方も最初の試乗で、

普通ですねコレ

と、良い意味で期待を裏切られた様子。
今も某県某市で元気に走っている事でしょう。

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