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*ボルトについて [#w5dd37ee]
クルマやバイクをイジってて、必ず付き合わねばならないボルトやナット。~
これについて少し語ってみようかなと思います。

**基本 [#ze3b7c1d]
まずは、ボルトやナットなどの「ネジ」を語る時に必要なのが
&256x(32){ネジの呼び方};
です。~
普通にバイクやクルマだけをイジっていると、「10mmのボルト」とか「17mmのナット」という呼び方をしてしまうのですが、これは早めに直しておいた方が良いです。~
ボルト、ナットに限らず、ネジというモノは、頭の径ではなく
&256x(32){ネジの径};
で語らねばなりません。~
そして、そのネジの直径だけでなく、
&256x(32){ネジピッチ};
も重要な要素です。~
ネジピッチというのは、ネジの山と山の間隔の事で、これが合わないとボルトは入らない、もしくは壮絶にナメます。~
ネジ径は間違えても、全く入らないorネジが掛からないので、ぶっちゃけどうでも良いのですが、ネジピッチを間違えるとハンパに入って壮絶にナメるので注意が必要です。~
例えば身近なモノだとクルマのホイールナット。~
ホイールナットは、国産でホンダ・スバルと軽を除くと概ね頭の径は21mm、ボルト側の径は12mmです。~
頭が21mmでボルトの径が12mmなら全部合うなんて思うと大間違いでして、実際にはネジのピッチが違います。~
トヨタ・ダイハツ・マツダ・ミツビシ・ホンダがピッチ1.5mm、ニッサン・スバル・スズキが1.25mmとなっています。~
もっと言えば、頭の寸法は大体が21mmですが、ホンダ・スバルは19mm、ダイハツの軽は21mmの頭でピッチ1.5mmのトヨタと共通ですが、スズキの軽には(以下略~
というように、頭の径だけで判断すると、まあ大体間違います。(笑~
必ずネジ径とピッチのセットで判断するようにしましょう。

**ネジの規格 [#pcbac2ae]
ネジの径とピッチが大事なのが解れば、次は規格です。~
ぶっちゃけ
&256x(32){どう呼んだらエエねん?};
というお話です。~
まず、一般的にバイク・クルマに使う「10mmのボルト」と言えば、ネジがM6XP1.0で、10mm六角頭のボルトです。~
これを僕的に読めば、「えむろくのピッチいってんぜろ」となります。~
「M6」の「M」はメートル規格のMで、M6=ネジ径6mmというワケです。~
そして、P1.0というのは、ネジ「ピッチ」が1.0mmなワケです。~
この部分さえ合えばネジはピッタリと入りますし、頭の形状やサイズはさして重要ではないワケです。~
ですから、M6XP1.0で10mm6角が入ってるネジ穴に、M6XP1.0のキャップボルトは普通に入ります。~

**ホームセンターのボルト [#k89024fe]
ここからが一番言いたい部分になります。~
ボルトやナットが足りない場合、そこらのホムセンで買ってきますよね?~
ここに大事な落とし穴があるワケですよ。

まず、M4〜M8程度のボルトやナットであれば、ホムセンで何も考えずに買ってきても大体OKです。~
しかしM10以上のボルトの場合、
&256x(32){大抵合わない};
んですよ。~
それは、JIS規格で言う
&256x(32){並目ネジと細目ネジ};
の違いがありまして、ホムセンで売ってるのは概ね並目ネジで、クルマやバイクで使っているのは概ね細目ネジを使っております。~
実際だと、M10だとホムセンに売ってるのは大抵並目のP1.5のモノで、クルマの場合はP1.25が主に使われています。~
あと、頭の寸法がちょっと違うんです。

|ネジ径|一般的な頭の寸法|自動車用の頭の寸法|
|M5|8mm|8mm|
|M6|10mm|10mm|
|M8|13mm|12mm|
|M10|17mm|14mm|
|M12|19mm|17mm|

実際にはミリネジだけでなく、ウィットやユニファイなどの規格が入り乱れますので、頭のサイズだけ見て買って来て、ピッタリ合う方が
&256x(32){ある意味奇跡};
なワケです。~
頭の寸法では判断せずに、必ず現物の径とネジピッチを確認して探しましょう。

**測定方法 [#p0aee301]
ネジピッチを確認しる!と言われても、そんなん目見当で判りますかいなっちゅー話((慣れれば大体判る))なので、ネジの測定方法。~
国産の乗用車の普通のボルト&ナットはまあ間違いなくミリ規格のネジです。((外車、特にアメ車は知らん))~
これのボルト側の直径をノギスで計れば径が判ります。~
若干小さめに出るので、3,4,5,6,8,12,14の近似値でOKです。~
後はネジピッチですが、クルマ&バイクで使う場合、M5XP0.8、M6X1.0、M8XP1.25と考えればまず大丈夫&ホムセンの並目でも一緒です。~
但し、M8の場合は頭の径が13mmになったりします。

M10以上は細目を使っている場合が多いのと、意外にもメーカーによって並目だったり細目だったりしますので、必ず現物を持っていって、ネジコーナーに置いてある測定サンプルに入れてみて確認するか、「[[ピッチゲージ:http://www.google.co.jp/search?hl=ja&rlz=1B3GGGL_jaJP217JP217&q=%E3%83%8D%E3%82%B8%E3%83%94%E3%83%83%E3%83%81%E3%80%80%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%82%B8&btnG=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=]]」で測定して確認しましょう。~

**強度 [#f4cf5ecf]
足周りなんかをイジっていると、ボルトの頭に数字が書いてあるボルトがあります。~
これを何らかの原因で取り替える場合は要注意。~
この数字は、ボルトの
&256x(32){強度表示};
でして、何か数字が書いてあるボルトがあるという事は、
&256x(32){強度が必要な箇所};
だという事です。~
一般的な無印のボルトはSSかSWCHの引っ張り強度4Tのボルトです。~
これに「6」と有るなら6T、「8」なら8T、「10」なら10Tのボルトで、わざわざコレを使うという事は、その場所はすっごい力が掛かるという事であり、ここに無印の得体が知れないボルトを何も考えずに使うと
&256x(42){ブチ折れて死ぬよ};
という意味でもあります。~
その点を考慮してボルトを選ぶ事・・・というか、基本的に足回り系のボルトは、代用品を使わずに純正部品を使うことをオススメします。

**その他 [#g26cc433]
ホムセンとか某トバックスなどでボルトを買う場合、
&256x(32){プチセレブ};
な気分でステンレス(以下SUS)ボルトを使う人が結構居ますが止めておいた方が良いです。~
というのも、SUSは何かと難しい材質でございまして、不用意に使うと後で泣きを見る事になります。~
まず最初に電蝕の問題。~
例えば鉄の部分にSUSのボルトを使うとします。~
そして、その部分が水で濡れると・・・鉄とSUSの間で電気が発生し、鉄側を
&256x(32){電気分解};
して行きます。~
その結果、鉄側が豪快に錆びて腐り落ちます。(^^;~
エアロを付けるのに、SUSのピアスネジを使って・・・なんて事をすると最悪な事になります。~
え?純正のステンレスモールはSUSのネジで止まっている?~
いいえ違うんです。そういう場合は必ず樹脂のグロメットを介して使われており、電気的に絶縁されているのです。((昔のクルマは絶縁されておらず、こういう部分が真っ先に腐り落ちたんだって。))

次に焼き付きの問題。~
SUSのボルトは非常に焼き付き易いのが特徴の1つでして、一度締めたモノを緩める時、結構あっけなく焼き付いて回らなくなります。~
一番最悪なパターンは、鉄のフランジにSUSのスタッド、または立込みの鉄ナットにSUSのボルトを入れる事。~
しかもそれをマフラーの配管でやってしまう事です。~
先の電蝕で当然の如く錆びますし、緩めようとしたら焼き付いてしまう。~
仕方ないから暴力でボキっと折って外すのですが、SUSのボルトはそう簡単には除去出来ない・・・というワケです。~
あ、これは
&256x(32){マツダ車のマフラー};
の事を言ってます。~
きっとこれはマフラー交換を抑止するための
&256x(42){タチ悪いプロテクト};
に違いありません。

でもまあ外さなければダメってなモンでして、どうしてもSUSのボルトを使わなければならない事情がある場合は、和光の[[スレッドコンパウンド>ケミカル/スレッドコンパウンド]]を塗って組んでおきましょう。~
これは効きます。~
SUSに限らず熱の入るボルト、高トルクのボルトを締める前に塗っておけば、次に作業する時必ず幸せになれます。

***コメント [#q3542b85]
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