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- 雑多な作業/ドラシャブーツ交換 へ行く。
ドライブシャフトブーツの交換 †
UP: 2007-10-03 19:17:43 (水)
FFの車のドライブシャフトブーツを交換します。
普段であれば、車両搭載状態で交換出来る半割りブーツを使って交換します。
この交換方法については様々なページで紹介されていますので、あえてココでは説明しません。
昔は接合部分の耐久性が悪く、グリスが滲んできたり、パックリ割れたりして嫌われていたモンですが、最近のヤツは材質も良くなったし、接合部分を専用の接着剤とホッカイロのオバケを使い溶着させるようになってからは性能が劇的に上がり、一昔の車両に比べれば
&256x(42){メーカー純正より頑丈];
になりました。
そして、アウターボードから音が出てしまった場合も、最近ではリビルトドライブシャフトが
&256x(42){大暴落];
しているので、わざわざ分解して修理する事も無くなりました。
しかし、半割りブーツの設定が無いインナーボードやマイナー車種のブーツ交換や、今回のように工賃度外視で
究極の安上げ
をしたい場合、半割りブーツを使わずに正攻法で交換します。
本当は面倒だし、グリスで汚れるからやりたく無いのですが、今回はエンジン載せ換えでドラシャ外してるんで、少しでも安い普通のブーツで交換しました。
今回のドラシャはL600Sムーヴのモノ。
ワタクシめの下駄マシンとして、エンジン足出てるムーヴをベースに、アルバイトで出てきた安いエンジンに載せ換えて修理します。
ドラシャブーツはまだ破れてはいなかったけど、破れるのは時間の問題ってな程度でしたので、この機会に交換してしまいます。
一般的なドラシャはインナーボードの方のブーツバンドを外せば手でスポっと抜けるので、ココのCリングを外して内部のベアリングを抜いて、アウター側ブーツを交換するのですが、L600Sのドラシャはインナーボードが抜けない・・・というかアウターと同じ固定方式らしく抜けなかったので、アウターボードを抜き取ります。
バイスにドラシャを固定し、自作アダプター*1を介してスライドハンマー:工具類/スライドハンマーでひっこ抜きます。
車種によってはムチャクチャ硬かったり、実は非分解式だったり、インナーボードのグリスの海の中にCリングが付いてる場合*2もあるので、全部が全部こうやってバラすとは限りません。
一応スラハンを使わなくても、ブーツを外してからアウターボードをハンマーでドツいても外せますが、内部のベアリングを痛めかねないのでオススメはしません。
余談ですが、一部の車種、特にダイハツのL70〜L600はドラシャAssyやアウターボードのみ交換する場合は要注意。
解体屋等でしつこく
NTNかTKか
と聞かれるハズですが、それには理由がありまして、コイツらハブ側スプラインが微妙に違うんです。
ハブとドラシャのメーカーを合わせないとダメなんですよ。
しかもスプラインの外観と溝の数は一緒なんです。
違うのは
スプラインの溝の太さ
でして、本当に微妙な違い。
この2メーカーで、どちらがどうという組み合わせは忘れたけど、AのハブにBのドラシャは入らない、Bのハブであれば一応どちらでも入るけど、Aのドラシャを入れた場合遊びが出るので、そのうち
スプラインナメて走れなくなる
んですよ。
必ずドラシャのメーカー=ハブのメーカーに合わせてドラシャを選ぶ必要があります。
ちなみに判別方法は、NTNの場合アウターボードかインボードにNTNの刻印があります。
TKの場合はシャフトのアウターボード寄りに製造年月日の刻印があります。
一応ブーツにメーカーが書いてあるんですが、社外品のブーツに交換されてる場合もありアテにはなりません。
更にリビルトドラシャに交換された過去がある場合は、この2つの判別法もアテにならなくなります。
この場合は今回やった方法でアウターボードを外し、シャフトの内部のスプラインの山数を調べれば確実にわかります。
NTNが19山で、TKが20山です。
さて、余談が過ぎてしまったので本題。
こうやってアウターボードが外れるワケです。
そして新しいブーツを入れたり、アウターボードを交換したりして、今度は組み立てるワケです。
まずスプラインを作業し易いように一度洗浄しておく。
そしてブーツと、「内側のブーツバンド」を忘れずに入れておく。
もうね、コレを忘れて組んで、後で気付いて
何度泣いた
かわかりません。
そう、基本的にここで入れるの忘れて組んでしまうと、再度バラさなければ内側ブーツバンドが組めなくなります。
そして、ドラシャ組み立て最大の難関がココ。
シャフト先端には溝が切ってあり、ここにCリングが入っていて抜けを防止しています。
これを組む場合、こういう特殊工具が必要になります。
コイツは先端に3つの歯がついており、コレでスプラインを避けつつCリングを押さえ込みます。
コレでアウターボードが引っ掛からないようにCリングを押さえておき、外側からコンコンと叩けば、先の工具が押されてスライドして、Cリングがスコンと入ります。
一応この工具無しでも、小さなマイナスドライバーやピックツールで押し込みながら組めない事も無いですが、このCリングはムチャクチャ硬いんですよ。
だからグリスドロドロの中で中々押し込めずに時間掛かったり、ピックツールの先が滑って
手をブッ刺したり
して激しく痛いメに遭ったりします。
正味な話、コレが無いとアウターボードは組めません。
無事にアウターボードが組めたら、ブーツを被せてバンドで締めます。
で、この時バンドの種類によっては特殊工具が必要になります。
メーカー純正ブーツ&バンドであればワンタッチで締める事が出来たりしますが、リンク品*3の場合は大抵こういうバンドを使っています。
一応マイナスドライバーとペンチ、そして
気合と暴力
で締められない事もないですが、スマートかつ安全確実に締めるにはこんな専用工具を使います。
コイツはバンドを巻上げて引っ張る機構と、バンドを切断する機構が1つで出来るんです。
バンドを引いてから一度折り曲げてから余分なバンドを切る。
そして軽く曲げてブーツバンドのストッパー部に折り込んでやる。
んでもってハンマーで折り目を平らに叩いてやり、更にポンチでストッパー部を叩いてやれば絶対に抜けないでしょう。
そして外側ブーツバンドも固定して完成。
この作業は手間掛かるし、なによりも
グリスまみれ
になるから大変です。
今回紹介したような専用工具が無いと余計にグリスまみれになります。
こんなメに遭わないよう、ドラシャのブーツは
半割りブーツが使える間に
交換してしまうのが吉です。