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アルコールで走るか?

さて、アルコール燃料化である。
まず最初に断っておきますが、これはちょっと

犯罪の可能性アリ

であります。
というのも、バイクなどは税金が課されたガソリンを使って走るように税金が定められてます。
ということは、無課税の灯油やアルコールを入れて走らせると・・・厳密に言えば

脱税

なんですよ。
時々ニュースで運送屋が灯油を混入してトラック走らせて捕まったりしてますが、ぶっちゃけた話これに当てはまるんですな。
余談ですが、灯油には軽油に混入してもわかるように識別物質として、名前は忘れたけどなんかが混ぜてあるそうな。
街中で抜き打ち検査すればイッパツでわかってしまうんだそうである。
けどソノ筋ではコイツが混入されていない、素の灯油というのも出回っているらしいというのも笑えるけど。

さて、アルコールで走らせるためには小細工が必要である。
まず空燃比の問題。
CARBOY見てたら載ってた、AVOのロードスターがヒントでした。
モーテックを駆使して、ガソリンとアルコールをシーケンシャル噴射してて、1600のB6エンジンで400馬力オーバーを絞り出す

キチガイ

なマシンだ。

この車の紹介記事を読んでいて知ったのだが、この車のアルコール用インジェクターは1000ccオーバーという人をバカにしたような吐出量のインジェクターがついているそうだ。
理由は簡単で、アルコールはガソリンと比較して、2倍程の濃さが必要なんだそうだ。
なるほどね〜、だから普通にアルコールだけ入れてもエンジン回らないだろうし、ジェットそのままでガソリンとミックスすれば薄くなって焼き付くわけだ。

てな訳でまずジェットを大きくしなくてはならない。
ノーマルでついてるのが86番(だっけな?)なんだが、コイツを単純に2倍にしたら・・・172番という

キレた大きさ

のジェットが必要になる。
こんなジェット手に入らないだろうし、最悪ドリルで穴広げて使ってしまおうかとも思っていたが、とりあえず近所のバイク屋にジェットを探しに行ってみる。
すると・・・ある所にはあるもんです。
ケイヒン標準型であれば200番位まであったのでした。(^^;
早速160、165、170番のジェットを買ってみた。

こいつがそのジェットである。

alc1_1.jpg

見てください!。この迫力のある穴!!
一体何に使うんでしょうなぁ・・・
しかしタクトのキャブのジェットはケイヒンの全ネジ丸大っちゅうヤツで、モンキーなどのキャブと同じモノであります。
で、買ってきたジェットはケイヒンの丸型標準タイプってやつで、 当然このキャブにはそのままではつかない。
そんな訳でキャブにちょっと細工を施してみた。
まずメインジェットの取り付け部をおもむろにサンダーで削って短くします。

alc1_2.jpg普通はやらんよなぁこんなコト

んで、元のジェットより新しいジェットのでネジ径が細いので、ロックタイトのネジ山修正剤を塗ってネジ山をこさえてやります。

alc1_3.jpgシンナーに浸けても溶けなかったぞ。

これで二度とニードルジェットを外すことが出来なくなりましたが、その代わりに種類が豊富なケイヒン標準ジェットの使用が可能になりました。
早速安物水筒でサブタンクをこしらえ、負圧コックを殺してからアルコールを注ぎ込んでみました。
使ったアルコールは普通の燃料用アルコールである。

alc1_4.jpg

alc1_5.jpg

とりあえずそのままキックしてみたけどエンジンはかからない。
まあこれは当然の話。
このキャブはスロージェットがハメ殺しの固定タイプなので、全開以外のセッティングは不可能なのです。
だからアイドリングでは普通のガソリンセッティングのままなので薄すぎて点火出来ないのだ。
とりあえずパイロットだけネジ外れる寸前まで緩めておいたけどね。

alc1_6.jpg

でもそれでは始動出来ないじゃないかと思う無かれ、こういう時にはワザを使うのです。
チョークとは窒息させるっちゅうことで、空気の入る量を制限して、無理矢理燃料を吸わせてやればいいので、こうやってしまえば良いのだ。

alc1_7.jpg

手にアルコールの蒸発する冷たい感触が来ると同時にイッパツ始動!
あまりにもあっけなく始動したのでビックリしたくらい。
さすがにこの状態で手を離すと燃料が薄くてストールするので、指の間隔を調整しながら様子を見てみる。
結果、全開までアクセル開けてしまえばちゃんとエンジン回るようである。
ここまで来たら試走しかない!

まず指で超チョークをカマして始動してから、おもむろに

ブレーキを握りアクセル全開

にします。
こうやって高負荷を維持してやればナントカ走ることが出来ます。
実際に走らせてみたら、若干トルクが太って加速が良くなったような気がする以外は、 別にガソリンと変わりありません。
ただ全開領域しかエンジン回らないセッティングなので、 コーナリングはアクセル全開のままブレーキで無理矢理速度落とさないといけません。
リッターマシンとかのクソ馬力でUターンする時にリアブレーキで馬力殺してやるような感触といいましょうか・・・
全開をしばらく続けてみてもノッキングなどの気配は全然ありません。
プラグを見てみても、まだ濃いと思うくらいで、まだまだ絞れそうな感触です。
まあ以前ついてたままの

何年モノかわからない

プラグなのでアテにはなりませんがね。(笑

しかしこのままではマトモには走れません。
どうにかならんもんかとセコい頭を捻ってみる。
とりあえずスローから中間まででもっと燃料を吹きたいんだけど、今のニードルの段数を1段下げたくらいで、

空燃費2倍の要求

に答えられそうではない・・・
んで、ワッシャーを数枚放りこんでニードルをかなり短くなるようにしてやろうかとも企んだが、ふと極悪な方法を思いついてしまったのだ。
それは、

だったらニードルを取ってしまえい

という訳で、これらな本当に簡単なので実際にやってみた。

alc1_8.jpg

付け忘れたのでは有りません。外したのです。

alc1_9.jpg

無茶もいいトコだが、これでアイドリングをするようになったのだ。(笑
吸気口からスロットルバルブを覗いてみると、 ニードルジェットからシュバババと燃料が出ている様が見える。
んでアクセルを開けてみたら、ンボボボとカブる。
そりゃ濃いわなこれじゃぁ・・・
でもアイドリングが効き、アクセルを閉めてもストールしなくなった分、以前に比べればマトモに走れるようになりました。

ちゃんと走らせるには、スロージェットをデカくして、ニードルをもっと細いものに交換してやればマトモに走るハズである。
アルコールは耐ノッキング性が高いそうなんで、ガンガン圧縮上げて点火も進めてやれば、結構パワフルなエンジンになるのではないでしょうか?
ただジェットのサイズが極悪なだけに、燃費はトンでもない悪さです。
300ccくらいはアっという間になくなります。
きっとリッターあたり2キロも走らないでしょうな。

まあ本当の遊びなんでコレ以上つっこんでセッティングするのはヤメました。
やったところでアルコールが

リッター辺り1000円

ほどすると思えば実用のカケラも御座いません。
そんなことに時間裂くよりも、もっと面白そうな実験が出来るじゃないですか。
そんな訳で次の実験は、

酒を入れて走らせる

であります。
笑い話では良くありますが、これを実際に行うことは可能か?(笑


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