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オールアルミ製ジャガーのボディ修理・その1
1  大戸  2006/05/19(Fri) 13:57
    pdde085.tkyoac00.ap.so-net.ne.jp Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.17; Mac_PowerPC)
知人が総アルミ製のジャガーのボディ修理を受けてきたというので話を聞いてみたところ、いろいろと興味深いことが聞けたのでご報告します。

まず総アルミ製というのは本当で、骨格のモノコック部分は5000番台、ボディパネルの外皮部分は、すべて6000番台であるとのことです。
で、修理方法は、溶接か接着で、接着の場合は、専用の接着剤と2種類のリベットで行うのだそうです。溶接は、指定の溶接機を使用し、修理箇所によって異なるセティング
で使用するうえ、そのセッティングもすべてジャガーよりプリセットされたプログラム
が支給されるので、それに目盛りを合わせて行うことが厳命されているのだそうです。
専用というか指定の溶接機は、TIG、MIGの両方イケるタイプで、ちなみにジャガーの場合、溶接はすべてMIGによる全面溶接が基本とのこと。TIGは溶接熱がいい気に高まり、
停滞するのと効率が悪いので採用されていないとか。

その2につづきます。
2  大戸  2006/05/19(Fri) 13:58
    pdde085.tkyoac00.ap.so-net.ne.jp Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.17; Mac_PowerPC)
その1からのつづきです。


接着の場合も指定のプライマー、接着剤、そしてリベットが用いられ、それらを組み合わせた接着能力は、溶接に勝るとも劣らない、ことによると溶接をも凌ぐそうです。

それとは別に、アルミのヒュームと粉塵の危険性を考慮し、ジャガーの認める性能の集塵機の工場導入も要請され、スチールを扱うものとは完全に別個な各種ツールも揃えなければならないとのこと。指定の溶接機は、欧州の自動車メーカーが指定しているのと
同じ機種とはいえ、安くはなく、工場設備やほかのツール類を含め、かなりの設備投資
を強いられるようです。

ところでリベットですが、スプリングを用いた脱着式のクリコや、使用後のヘッドがマ
ッシュルーム状になる強力なヘムロック、そして最新式の穴開けのいらないアルミ専用
のセルフピアシングというのが使われているとのこと。クリコは、航空機の機体修理やクルマのレストアにも使われているので知っていましたが、あとのふたつはまったく知りませんでした。聞けば、ヘムロックは超強力なスちール製で、それだと電食が起きる
のではと思ったら、特殊なコーティングが施されているそうです。SPRとも言われる
穴開け不要のは、パネルの内部でヘッドがつぶれてパネル同士をしっかりと固定する最新のものなのだそうです。

ハイブリッドとかパワートレーンで燃費をかせげないとなると、残るは車重をおさえるしかないのは、わかりますが、こうなるとこれからの自動車鈑金修理の世界も大きく変わってくるのではないかと思われました。ちなみに、廉価な大衆車でも超薄型タイプの
特殊な軽量ハイテン鋼が使われ始めており、それは溶接不可なのだとか。ではどうする
のかというと、より温度の低いブレイジングで接着するのだそうです。で、そっちのほ
うが溶接より強度が高いというのですから、いやはや。

そんなこんなで、自動車鈑金の世界にも変革の大波が押し寄せているようです。
3  しらいまさや  2006/05/22(Mon) 12:08 Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 2.0.50727)
現在行われているような「切り張り」を出来るかどうかが大事じゃないか・・・と思います。
溶接での切り張りはまあ無理でしょうから、パネルボンドとリベットを併用した接着がメインになるような気がします。
しかしメンバー付近でアームブラケット等があると溶接になるでしょうし、その溶接の品質が問題になるでしょうね。

で、ハイテンについては、ウチのお得意さんトコでも考えてるようでして、MIGで使えるロウとかの導入を考えてはるようです。
でもハイテンの薄鋼だと鈑金じゃなくパネル交換になりそうですよねぇ。

んで、そんなクルマが何年か先にウチら解体屋に出てきたらどうなるんだろ?
って言うか接着剤で切り張り出来るようになるなら、モノコックのカットも売れたりするかな?(笑

4  大戸  2006/05/23(Tue) 19:14
    pdde085.tkyoac00.ap.so-net.ne.jp Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.17; Mac_PowerPC)
切り張りの可能性について聞いてみたところ、ブレージングであるなら可能であるとのことです。
研修の際にもらってきたというテストピースを見せてもらったのですが、それは
厚さ1ミリのスチール板を突き合わせでブレージングで接着したものを引っ張り
強度試験機にかけて伸ばしたもので、接着(溶着?)した部分ではないところで、
伸び切ってました。

ブレージングというのは、いわゆるロウ付けみたいな作業で、前にも書きましたが、
溶接に比べて作業温度がきわめて低く、そのために超薄ハイテンに悪影響を及ぼさ
ない(逆に言えば溶接ではペケ)利点があって、採用されているとか。

おっしゃるモノコックのカットの切り売りも、「たぶん、できるんじゃないかな。
ちゃんとしたジグで固定することができれば」とのこと。ちなみに、ジャガーとか
は、グローバルジグ社のと、忘れましたが、もう一社の製品が指定されているのだ
そうです。

ジグも指定、溶接機も指定、無論、接着剤もリペット類もで、そのうえアルミのヒ
ューム集塵機やスチールを扱うのとは別なアルミ専用ツールも一式と、カネがかか
るばかりで大変です。

でもそれより大変なのは、外車の場合、ディーラーが発注の際、本来支払われるべ
き工賃の半分しか出さない、というのが当たり前のようになってきている現状だそ
うです。
趣味の楽しい掲示板であるべきところ恐縮ですが、外車の鈑金塗装は、本当にやっ
てられない状況になりつつあるようです。
5  名無しさん  2012/02/13(Mon) 09:55
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